概要
ケビン・ラッド首相がオーストラリア連邦議会で、アボリジニおよびトレス海峡諸島民の「盗まれた世代」(Stolen Generations)に対する公式謝罪を行った。1910年代から1970年代にかけて、政府の同化政策により約10万人の先住民の子供が強制的に家族から引き離され、白人家庭や施設に収容された。ラッドは「申し訳ありませんでした」と3度繰り返した。
歴史的背景
1997年の「彼らを家に連れて帰ろう」報告書が盗まれた世代の実態を明らかにし、国家的謝罪を勧告したが、ジョン・ハワード保守党政権は11年間にわたり公式謝罪を拒否した。2007年の総選挙で労働党が勝利し、ラッド首相の就任後最初の議会で謝罪が実現した。先住民コミュニティと全国各地で謝罪のテレビ中継が見守られた。
地形・地理的特徴
オーストラリア首都特別地域のキャンベラは、シドニーとメルボルンの中間に計画的に建設された首都。国会議事堂はキャピタル・ヒルの上に建てられ、バーリー・グリフィン湖を挟んで旧国会議事堂と向き合う。この象徴的な政治空間で行われた謝罪演説は、全国にテレビ中継された。
歴史的重要性
オーストラリア史上初の先住民に対する連邦政府レベルの公式謝罪であり、和解プロセスの重要な一歩となった。しかし謝罪には金銭的補償が伴わず、先住民の健康・教育・所得格差は依然として深刻であることから、象徴的行為に過ぎないとの批判もある。2023年の「声」国民投票の否決は和解の道のりの困難さを示した。
参考文献
- Read, P. 'A Rape of the Soul So Profound' (1999)
- Human Rights and Equal Opportunity Commission 'Bringing Them Home' (1997)