概要

1999年2月、元陸軍中佐ウゴ・チャベスが大統領に就任し「ボリバル革命」を宣言した。1992年にクーデター未遂で投獄された後、合法的手段で政権を獲得。新憲法を制定し国名を「ベネズエラ・ボリバル共和国」に変更。石油収入を原資とするミシオネス(社会事業プログラム)で貧困層支援を展開。2002年に反チャベスクーデターが発生したが48時間で政権に復帰した。キューバとの同盟、ALBA(米州ボリバル同盟)の創設、反米外交を展開。2013年に癌で死去。

歴史的背景

1980-90年代のベネズエラは石油価格低迷と新自由主義改革による社会格差の拡大に苦しんでいた。1989年の「カラカソ」(食料品値上げに対する暴動、軍の鎮圧で数百〜数千人死亡)は既存政治体制への信頼崩壊を象徴した。二大政党制(AD党とCOPEI党)の「プント・フィホ体制」が腐敗し、中間層の没落と貧困層の怒りが新しい政治指導者を求めていた。チャベスはシモン・ボリバルのナショナリズムと社会主義を融合させた。

地形・地理的特徴

カラカスはカリブ海岸から約15キロメートル内陸のアビラ山(標高2765m)北麓の狭い谷間に位置する標高約900メートルの都市。周囲を山に囲まれた盆地状の地形は都市の膨張を制約し、山腹に貧困層のバリオ(スラム)が広がった。ベネズエラのマラカイボ湖周辺とオリノコ川流域は世界有数の石油埋蔵地帯であり、石油レント経済が国家の政治構造を規定してきた。

歴史的重要性

21世紀初頭のラテンアメリカにおける「ピンクタイド」(左派政権の連鎖的成立)の先駆けとなった。石油外交を通じてカリブ海・中米諸国に影響力を拡大し、米国の一極支配に対抗する勢力を形成した。しかしチャベス死後、石油価格暴落と経済失政により深刻な経済危機・人道危機が発生し、数百万人の国外脱出を引き起こした。ポピュリズムと資源依存型経済の限界を示す事例として議論が続く。

参考文献

  • Rory Carroll, 'Comandante: Hugo Chávez's Venezuela'
  • Margarita López Maya, 'El ocaso del chavismo'