概要
1998年、2002年、2016年、2017年、2020年、2022年と繰り返されるサンゴの大規模白化現象。海水温が通常より1-2℃上昇すると、サンゴと共生する褐虫藻が離れ(白化)、長期化するとサンゴが死滅する。2016年の白化では北部リーフの約67%のサンゴが死亡。約1500種の魚類と400種のサンゴに依存する海洋生態系全体が危機に瀕している。
歴史的背景
グレートバリアリーフは約2万年前の最終氷期後に現在の形が形成された。産業革命以降の地球温暖化による海水温上昇が白化の主因。海洋酸性化、農業排水による富栄養化、オニヒトデの大量発生も複合的に脅威となっている。オーストラリア政府は2015年に「リーフ2050計画」を策定した。
地形・地理的特徴
クイーンズランド州沖の大陸棚上に広がる世界最大のサンゴ礁群(約2300km、面積34万4千km²)。約2900のリーフと約900の島から構成される。熱帯・亜熱帯の温暖な浅海が珊瑚の成長に適しているが、海水温の上昇に極めて脆弱。
歴史的重要性
気候変動の影響を最も可視化する事例の一つ。生物多様性の損失と生態系サービスの喪失(漁業、観光、海岸保護)が深刻な経済的影響をもたらす。年間約64億豪ドルの観光収入と約6万4千人の雇用が依存している。世界遺産の「危機遺産」への登録が繰り返し議論されている。
参考文献
- Hughes et al., Global Warming and Mass Bleaching of Corals, Nature 2017
- Great Barrier Reef Marine Park Authority Reports