概要
スリランカ最初の大王朝。紀元前3世紀にアショーカ王の子マヒンダが仏教を伝え、以後スリランカは上座部仏教の最重要拠点となった。菩提樹の分木が植えられ、ルワンウェリサーヤ大塔などの巨大な仏塔が建設された。パーリ語三蔵が初めて文字化されたのもスリランカ(紀元前1世紀)。
歴史的背景
伝説によればヴィジャヤ王子がインドから渡来して建国。実際にはインド南部・北部からの複数の移民の波が王朝形成に関与した。マウリヤ朝との外交関係が仏教伝播の契機となった。
地形・地理的特徴
スリランカ北中部の乾燥地帯に位置し、精巧な灌漑用貯水池(タンク)システムを構築して農業を可能にした。インド本土から海峡を隔てた島嶼という地理的条件が、独自の文化発展を促した。
歴史的重要性
上座部仏教の正統を保持した最重要王朝。パーリ語仏典の保存により、初期仏教の教えが後世に伝えられた。東南アジアの上座部仏教圏(ミャンマー、タイ、カンボジア等)の仏教はスリランカからの伝播に由来する。
参考文献
- K.M. de Silva, A History of Sri Lanka, 1981
- Wilhelm Geiger (tr.), Mahavamsa, 1912