概要
約10万頌からなる世界最長の叙事詩。バーラタ族の王位継承をめぐるパーンダヴァとカウラヴァの対立と大戦争を描く。バガヴァッド・ギーターを含み、ダルマ(義務)・アルタ(実利)・カーマ(愛欲)・モークシャ(解脱)というインド思想の四大価値を包括的に論じる。ヴィヤーサが作者とされる。
歴史的背景
口承伝統としてヴェーダ時代後期から語り継がれ、数世紀にわたり増補・編纂が繰り返された。クル族・パンチャーラ族の部族間闘争の歴史的記憶が核にあるとされ、鉄器時代のガンジス川流域の社会を反映している。
地形・地理的特徴
ガンジス川流域の広大な平野が物語の主要な舞台。クルクシェートラ(現ハリヤーナー州)の平原が大戦争の戦場として設定され、実在の地名と神話的要素が融合している。
歴史的重要性
ヒンドゥー文化の根幹をなす叙事詩であり、インド亜大陸全域および東南アジアの文学・芸術・演劇・哲学に計り知れない影響を与えた。バガヴァッド・ギーターはヒンドゥー哲学の最重要テキストとして世界的に読まれている。
参考文献
- J.A.B. van Buitenen (tr.), The Mahabharata, 1973-78
- Alf Hiltebeitel, Rethinking the Mahabharata, 2001