概要
1956年12月、フィデル・カストロ、チェ・ゲバラら82名がグランマ号でメキシコからキューバ東部に上陸し、シエラ・マエストラ山脈を拠点にゲリラ戦を展開した。当初わずか十数名に減少した革命軍は農民の支持を得ながら勢力を拡大。1958年夏にチェ・ゲバラとカミーロ・シエンフエゴスが率いる二つの縦隊が西進し、12月31日のサンタクララの戦いでバティスタ軍を撃破。1959年1月1日にバティスタ大統領が亡命し、1月8日にカストロがハバナに入城して革命が完了した。
歴史的背景
フルヘンシオ・バティスタ独裁政権下のキューバは米国企業と結びついた寡頭支配が続き、農村部の貧困と都市部の格差が深刻化していた。砂糖モノカルチャー経済への依存、マフィアによるカジノ運営、広範な汚職が社会不満を高めていた。カストロは1953年にモンカダ兵営襲撃で投獄されたが、釈放後メキシコに亡命し、チェ・ゲバラと出会い革命を準備した。7月26日運動を中心に都市部の地下組織と農村ゲリラが連携した。
地形・地理的特徴
キューバはカリブ海最大の島で、全長約1200キロメートルに及ぶ。東部のシエラ・マエストラ山脈は最高峰ピコ・トゥルキーノ(1974m)を擁する険しい山岳地帯であり、カストロ率いるゲリラ部隊の拠点となった。山岳の密林は政府軍の機甲部隊や空爆の効果を減殺し、ゲリラ戦に適した地形であった。一方、ハバナは島の北西部に位置する港湾都市で、政権の中枢が集中していた。
歴史的重要性
西半球初の社会主義革命として冷戦構造を根本的に変化させた。キューバ危機(1962年)を招き核戦争の瀬戸際に至る。ラテンアメリカ各地でゲリラ運動を触発し、米国のラテンアメリカ政策を大きく転換させた。チェ・ゲバラは世界的な革命のアイコンとなり、第三世界の民族解放運動に思想的影響を与え続けている。
参考文献
- Hugh Thomas, 'Cuba: The Pursuit of Freedom'
- Jon Lee Anderson, 'Che Guevara: A Revolutionary Life'