概要
ナイジェリアのイボ族作家チヌア・アチェベが英語で発表した小説。植民地化以前のイボ族社会が、キリスト教宣教師とイギリス植民地政府の到来により崩壊していく過程を主人公オコンクウォの悲劇を通じて描く。50以上の言語に翻訳され、約2000万部が販売された。
歴史的背景
ジョイス・キャリーの小説『ミスター・ジョンソン』に代表されるアフリカ人の戯画的描写への反発が執筆の動機。アチェベは「アフリカ人が自らの物語を語る」ことの重要性を主張した。独立前夜のナイジェリアの知的エネルギーが背景にある。
地形・地理的特徴
ナイジェリア南東部のイボランドが小説の舞台。植民地化以前のイボ族の村落社会が熱帯雨林の中で展開される。ロンドンのハイネマン社から出版され、アフリカ文学が世界に向けて発信される転機となった。
歴史的重要性
「アフリカ文学の父」と称されるアチェベの代表作であり、現代アフリカ文学の出発点。コンラッドの『闇の奥』への批判的応答でもある。英語文学のカノンを根底から問い直し、ポストコロニアル文学の古典となった。
参考文献
- Achebe, C., 'Things Fall Apart'
- Ezenwa-Ohaeto, 'Chinua Achebe: A Biography'