概要
ナセルがスエズ運河を国有化したことに対し、イギリス・フランス・イスラエルが秘密協定(セーヴル議定書)を結び軍事介入。イスラエルがシナイ半島に侵攻し、英仏がスエズ運河地帯に上陸した。しかしアメリカとソ連の圧力により撤退を余儀なくされ、ナセルは政治的勝利を収めた。
歴史的背景
ナセルのアスワン・ハイ・ダム建設のための資金をアメリカが撤回したことへの報復としてスエズ運河国有化が宣言された。イギリス・フランスは運河の利権を守るため、イスラエルは南部の安全保障のために軍事行動を起こした。
地形・地理的特徴
スエズ運河地帯とシナイ半島が戦場となった。運河の狭い水路は軍事的ボトルネックであり、その支配は地中海と紅海の連結を制する意味を持った。シナイ砂漠はイスラエル軍の機甲部隊の展開に利用された。
歴史的重要性
イギリスとフランスの帝国主義的介入の最後の試みと、その完全な失敗。アメリカとソ連が中東の覇権を握る冷戦構造の確立。ナセルは帝国主義に抵抗した英雄としてアラブ世界と第三世界で絶大な人気を獲得した。
参考文献
- Kyle, K., 'Suez: Britain's End of Empire in the Middle East'
- Varble, D., 'The Suez Crisis 1956'