概要

ヴェルナー・フォン・ブラウンが開発した世界初の弾道ミサイルV-2(報復兵器2号)。液体燃料ロケットで高度約80kmに到達し、音速の約5倍で落下するため迎撃不可能であった。1944年9月からロンドンやアントワープに対して約3,000発が発射され、約9,000人が死亡した。

歴史的背景

ドイツ空軍の劣勢が明らかになる中、ヒトラーは「報復兵器」による戦局の打開を期待した。V-1飛行爆弾に続くV-2は技術的に革新的であったが、精度の問題と高い製造コストから戦略的な効果は限定的であった。製造にはミッテルヴェルク地下工場の強制労働者が使用された。

地形・地理的特徴

バルト海に面するウーゼドム島のペーネミュンデは、人里離れた海岸に位置し、秘密兵器の開発・試験に適した場所であった。ロケットの射程試験はバルト海上空で行われた。

歴史的重要性

宇宙ロケットと弾道ミサイルの直接的な先祖であり、戦後のアメリカとソ連の宇宙開発競争の技術的基盤となった。フォン・ブラウンは戦後アメリカに渡りNASAのサターンVロケットを開発した。軍事技術と科学の倫理の問題を象徴する。

参考文献

  • マイケル・ノイフェルト『フォン・ブラウン 夢見る人、兵器商人、宇宙の先見者』