概要
ドイツ軍がクルスク突出部の挟撃を企図した「ツィタデレ作戦」に対し、ソ連軍が縦深防御で対抗した史上最大の戦車戦。ドイツ軍は新型タイガー・パンター戦車を投入したが、ソ連軍の圧倒的な防御火力と反撃により攻勢は頓挫した。以後、ドイツ軍は東部戦線で攻勢能力を完全に喪失した。
歴史的背景
スターリングラードの敗北後、ドイツ軍はクルスク突出部を挟撃して戦線を縮小し、戦略的均衡を回復しようとした。しかしイギリスの暗号解読とソ連のスパイ網により作戦計画が漏洩し、ソ連軍は万全の防御態勢を整えていた。
地形・地理的特徴
クルスク周辺のロシアの広大なステップと穀倉地帯が、史上最大の戦車戦の舞台となった。ソ連軍は8重の防御線を構築し、地雷原・対戦車壕・砲兵陣地が縦深防御を形成していた。プロホロフカ付近の小丘陵地帯が戦車戦の焦点となった。
歴史的重要性
東部戦線の最終的な転換点であり、以後ドイツ軍は防御一辺倒となった。ソ連軍の攻勢能力が質的・量的にドイツ軍を上回ったことを証明し、ベルリンへの道が開かれた。
参考文献
- デニス・ショウォルター『鎧 クルスクの戦い 1943年』