概要
第二次世界大戦中に太平洋諸島に進出した軍隊がもたらした大量の工業製品(缶詰、衣服、武器、車両等)に触発されて発生した宗教運動。最も有名なジョン・フラム運動(バヌアツのタナ島)では、アメリカ人の精霊「ジョン・フラム」が物資とともに帰還すると信じられた。竹で模造の飛行機や管制塔を作り、軍の行進を模倣する儀礼が行われた。
歴史的背景
メラネシアの伝統的世界観では、物質的富は祖先の霊の贈り物と理解されていた。欧米人が圧倒的な物資を持ちながらそれを生産する過程を見せなかったため、物資は超自然的手段で獲得されたと解釈された。植民地支配と宣教師による伝統文化の否定への反動でもあった。
地形・地理的特徴
メラネシアの火山島や環礁島。第二次世界大戦中にアメリカ軍と日本軍が太平洋諸島に基地を設置し、飛行場、港湾、物資集積所を建設した。戦後これらが放棄された後、現地の住民が残された物資や基地跡に宗教的意味を見出した。
歴史的重要性
異文化接触と技術格差が生む認知的不協和を示す文化人類学の重要な事例。リチャード・ファインマンが疑似科学を「カーゴ・カルト・サイエンス」と呼んだことで広く知られるようになった。一部の運動(ジョン・フラム等)は現在も存続している。
参考文献
- Worsley, The Trumpet Shall Sound
- Lindstrom, Cargo Cult