概要

ヘイグ元帥がベルギー海岸のドイツUボート基地を目指して開始した攻勢。カナダ軍がパッシェンデール尾根を占領したが、4ヶ月の戦いで約8kmの前進に対して約58万人の死傷者を出した。泥沼の戦場は西部戦線の無意味な消耗戦の究極的象徴となった。

歴史的背景

フランス軍のニヴェル攻勢の失敗(1917年春)とフランス軍の反乱により、イギリス軍が主導的役割を担う必要に迫られた。ヘイグはUボート基地の無力化という戦略的目標を掲げたが、天候と地形を過小評価していた。

地形・地理的特徴

フランドルの低湿地帯は記録的な豪雨で泥沼と化し、兵士は腰まで泥に浸かりながら戦った。砲撃で排水システムが破壊され、砲弾痕に溜まった泥水で溺死する兵士も多かった。地形そのものが最大の敵であった。

歴史的重要性

第一次大戦の無意味な大量死の最も象徴的な戦いであり、「パッシェンデール」は泥と血の地獄の代名詞となった。カナダの国民意識の形成にも重要な役割を果たし、ヴィミーリッジの戦いと並んでカナダの軍事的アイデンティティの柱となっている。

参考文献

  • ニック・ロイド『パッシェンデール 西部戦線の新たな歴史』