概要
老子は道家思想の創始者とされ、『道徳経』(老子)は「道」を万物の根源とする哲学を説いた。「道の道とすべきは常の道に非ず」に始まる81章の短い著作は、無為自然・柔弱謙下の思想を展開。儒教の礼楽制度への批判として、人為を排し自然に従う生き方を説いた。実在の人物かどうかは議論がある。
歴史的背景
春秋戦国時代の社会的混乱の中で、儒教とは異なる思想的回答を示した。老子の「小国寡民」の理想は、大国間の覇権争いへの根本的批判であった。のちに荘子がこの思想を発展させた。
地形・地理的特徴
老子の出身地は諸説あるが、楚国の苦県(河南省鹿邑県)とされる。楚は長江中流域に勢力を持つ南方の大国で、中原の文化とは異なる独自の精神風土を育んだ。
歴史的重要性
道教の哲学的基盤となり、中国文化の二大支柱(儒教と道教)の一つを形成。禅仏教にも影響を与え、東アジアの自然観・芸術観に深い影響を残した。西洋でも広く読まれる東洋哲学の古典。
参考文献
- 『道徳経』老子
- 『史記』老子伝