概要
ナイル川上流のファショダで、南下してきたイギリスのキッチナー将軍と、西から横断してきたフランスのマルシャン大尉の部隊が遭遇。両国間の深刻な軍事的緊張が生じたが、フランスが最終的に撤退し、英仏間の戦争は回避された。
歴史的背景
アフリカ分割のピークにあたり、イギリスはスーダンのマフディー国家を滅ぼしてナイル川の支配権を確立しようとしていた。フランスはアフリカ横断計画の実現を目指し、両国の帝国主義的野心が衝突した。
地形・地理的特徴
白ナイル川沿いのファショダは、サハラ以南アフリカの交通の要衝であった。イギリスのカイロ=ケープタウン縦断計画とフランスのダカール=ジブチ横断計画がここで交差した。
歴史的重要性
英仏植民地競争の頂点と転換点となった。フランスの譲歩は、対ドイツ脅威への対抗で英仏接近が不可避であることを示し、1904年の英仏協商の土台を作った。帝国主義が大国間戦争を引き起こす危険性を示した事例。
参考文献
- ダレル・ベイツ『ファショダ事件 1898年』