概要

1883年8月26-27日、スンダ海峡のクラカタウ火山が壊滅的な噴火を起こした。火山爆発指数(VEI)は6で、約25立方キロメートルの噴出物を放出。8月27日の最大噴火の爆発音は約4,800キロメートル離れたオーストラリアやインド洋のロドリゲス島でも聞こえ、人類史上最も遠くまで伝わった音とされる。カルデラ陥没により高さ30メートル以上の大津波が発生し、ジャワ・スマトラ沿岸の集落を壊滅させ、約36,000人が死亡した。

歴史的背景

クラカタウは1680年の噴火以来約200年間比較的静穏であったが、1883年5月から前兆的な噴火活動が始まっていた。オランダ領東インドの植民地当局は火山活動を監視していたが、噴火の規模を予測することはできなかった。スンダ海峡沿岸にはバンテン、メラクなど多くの港湾集落が存在し、津波の被害を受けやすい環境にあった。

地形・地理的特徴

クラカタウはジャワ島とスマトラ島の間のスンダ海峡に位置する火山島で、インド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートの下に沈み込む帯に位置する。海峡内の火山島という立地は、噴火に伴うカルデラ陥没が大津波を発生させる条件を備えていた。海峡は古来より東西交易の重要航路であり、沿岸部に多くの集落があった。

歴史的重要性

世界に張り巡らされた海底電信網によって噴火のニュースはリアルタイムで世界中に伝えられ、最初の「グローバルニュース」となった。成層圏に拡散した火山灰は世界中で鮮やかな夕焼けを生み出し、ムンクの『叫び』の背景に影響を与えたとする説もある。全球的な気温低下が数年間続き、火山噴火の気候影響に関する科学的研究を促進した。

参考文献

  • Simon Winchester『Krakatoa: The Day the World Exploded』
  • Tom Simkin & Richard S. Fiske『Krakatau 1883: The Volcanic Eruption and Its Effects』