概要
古代インドの外科医スシュルタが著したとされる『スシュルタ・サンヒター』は約184章からなる包括的医学書。鼻形成術(ラインプラスティー)、白内障手術、帝王切開、結石摘出など300以上の外科手術を記述。121種の外科器具を詳述し、解剖学の知識も示した。
歴史的背景
アーユルヴェーダ医学の二大古典(もう一つはチャラカ・サンヒター)の一つ。口伝から文字化される過程で長期間にわたり増補された。当時のインドでは仏教の影響で火葬前の遺体観察が行われ、解剖学的知識の蓄積が可能であった。
地形・地理的特徴
ヴァーラーナシー(ベナレス)はガンジス川沿いのヒンドゥー教最高の聖地。宗教的中心地であると同時に学術・医学の拠点でもあり、アーユルヴェーダ医学の重要な発展地。
歴史的重要性
「外科医学の父」と称されるスシュルタの鼻形成術は、19世紀にイギリスの外科医たちが再発見し、近代形成外科の発展に貢献した。古代インド医学の水準の高さを示す第一級の資料。
参考文献
- P.V. Sharma (tr.), Sushruta Samhita, 1999
- Dominik Wujastyk, The Roots of Ayurveda, 2003