概要
フランス人外交官フェルディナン・ド・レセップスの主導でスエズ運河が建設された。全長約164km、幅22m(当初)。約150万人のエジプト人労働者が動員され、多数の犠牲者を出した。1869年11月17日にイスマーイール・パシャ主催の盛大な式典で開通。ヴェルディのオペラ『アイーダ』が記念に委嘱された。
歴史的背景
古代から地中海と紅海を結ぶ運河の構想は存在したが、近代的な技術で初めて実現された。イギリスとフランスの帝国主義的競争の中で、フランスが主導権を握った。エジプトは建設費の負担で財政危機に陥った。
地形・地理的特徴
地中海と紅海を隔てるスエズ地峡は、最も狭い部分で約120kmの平坦な砂漠地帯。海面とほぼ同じ標高であるため閘門なしの水面式運河が可能であった。ティムサー湖やビター湖などの天然の塩湖が中間点として利用された。
歴史的重要性
世界の海上交通を根本的に変えた人類史上最大級の土木事業の一つ。ヨーロッパとアジアの航行距離を劇的に短縮し、世界貿易の構造を変えた。エジプトの戦略的価値を飛躍的に高め、イギリスのエジプト占領(1882年)の直接的原因となった。
参考文献
- Karabell, Z., 'Parting the Desert: The Creation of the Suez Canal'
- Piquet, C., 'Le Canal de Suez'