概要
アッシリア王エサルハドンがエジプトに侵攻し、メンフィスを占領してヌビア第25王朝のタハルカ王を追放した。続くアッシュルバニパル王の遠征(紀元前663年)ではテーベが徹底的に略奪・破壊された。この事件は旧約聖書ナホム書にも記録されている。
歴史的背景
アッシリア帝国は西方拡大を続け、エジプトのクシュ王朝が反アッシリアの蜂起を支援していたことが侵攻の直接的動機。東地中海世界の覇権を巡る超大国間の衝突であった。
地形・地理的特徴
アッシリア軍はシナイ砂漠を横断してエジプトに侵入。デルタの平坦地はアッシリアの大軍の展開に適していた。テーベまでの約800kmのナイル渓谷進軍は兵站面で大きな負担となったが、ナイルの水運を利用して補給を維持した。
歴史的重要性
古代世界の超大国エジプトが初めて外国軍に完全征服された衝撃的事件。テーベの略奪は古代世界に深い印象を残し、預言者ナホムが引用するほどであった。この後エジプトは再び独立を回復するが(第26王朝)、かつての栄光を取り戻すことはなかった。
参考文献
- Kahn, D., 'The Assyrian Invasions of Egypt'
- Spalinger, A., 'The Military Background of the Campaign of Piye'